先日建国記念日、私め店休み遅ばせながら、初歌舞伎鑑賞で御座います。
新劇出身の拝、歌舞伎に先入観持ち合わせ遠ざけて居りました。
全く持って反省術き事! 歌舞伎、グレートで有りまする!!
空間の使い方、リズム感、エンターテイメント性…圧巻で御座いまする。
私め鑑賞前夜、商いにて朝方五時までしており、不詳寝込を懸念しておりましたが何の何の歌舞伎に魅了されお目ぱっちりでした。
2月さよなら公演
夜の部
一、壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)
二、高坏(たかつき)
三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
一、
壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)
大和国壺坂の麓。盲目の座頭沢市(三津五郎)と、器量良しと評判の女房のお里(福助)は貧しいながらも仲睦まじく暮らしています。しかし、沢市は、夫婦になって以来、毎夜お里が出かけていくのが気掛りで、貞節を疑っています。ある日思い切って沢市が問いただすと、お里は夫の目が明くよう、壺坂寺の観音様へ毎日通っていたと語ります。観音様でも治せないと愚痴を言う沢市を説き伏せ、二人は壺坂寺へと向かいます。壺坂寺で観音様に祈る二人でしたが、目は明かず、愚痴をこぼす沢市。一人で願を掛けるといってお里を家に帰した沢市は、これ以上、お里に迷惑をかけたくないと谷底へ身を投げます。そこへ、沢市を案じ戻って来たお里は、沢市の後を追って自身も身を投げますが、観世音(玉太郎)が現れ......。貧しくとも純真な夫婦の愛情を描く一幕をお楽しみください。
二、高坏(たかつき)
次郎冠者(勘三郎)は、主人の大名某(彌十郎)と太郎冠者(亀蔵)と共に花見に出かけます。大名は次郎冠者に盃を載せる高坏を買うよう命じ、太郎冠者と立ち去ります。ところが、次郎冠者は高足売(橋之助)の口車に乗せられて高足を高坏と思い込んで買ってしまい、大名の酒を二人で飲んで酔い潰れる始末。高足売が去り、大名達が戻ってくると、次郎冠者は高足を高坏だと言い張って高足を履いて踊るのでした。戦後、十七代目勘三郎が復活した軽妙洒脱な舞踊をお楽しみ下さい。三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
上州佐野の絹商人、佐野次郎左衛門(勘三郎)は下男の治六(勘太郎)と共に桜の咲き誇る吉原仲之町へやってきます。白倉屋万八(家橘)に安く遊ばせると騙された二人は、立花屋長兵衛(我當)に助けられて帰ろうとしますが、次郎左衛門は兵庫屋八ツ橋(玉三郎)の花魁道中を見て魂を奪われます。八ツ橋の元へと通うようになった次郎左衛門。八ツ橋の親代わりである釣鐘権八(彌十郎)は良い金蔓が出来たと、立花屋のおきつ(秀太郎)を通して度々金策を頼みます。しかし、ついにおきつに金策を断られると、権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞(仁左衛門)を焚き付けます。そして、栄之丞は八ツ橋に次郎左衛門との縁切りを迫るのでした。一方何も知らない次郎左衛門は八ツ橋を身請けするつもりで、同業の丹兵衛(市蔵)、丈助(亀蔵)と吉原へやってきて、兵庫屋の花魁の九重(魁春)、七越(七之助)、初菊(鶴松)らを座敷に呼んで楽しく八ツ橋が来るのを待っています。そこへ現れた八ツ橋に突然、愛想づかしをされた次郎左衛門は万座で恥をかかされ、うちひしがれて宿へと帰っていきますが、四ヶ月後再び吉原に現れ......。
十七代目勘三郎の当り役を当代勘三郎が勤める注目の舞台です。
コメント