前日シモキタで呑んだ際、聞こえてくる歌がありました。
「独り飲む酒~悲しくて映るグラスはブルースの色
たとえばブルースなんてききたい夜はYOKOHAMA
HONKY TONK BLUES
ヘミングウェイなんかにかぶれちゃってさ
フローズンダイキリなんかに酔いしれてた
あんた知らないそんな女YOKOHAMA HONKY TONK BLUES♪」
そう、ご存知「ヨコハマホンキートンクブルース」作詞藤竜也、作曲エディ藩、唄松田優作
昔、本牧にボンドホテルというヨコハマらしいイカしたホテルが有り「今ドン・キホーテ。くう~悲」
その前にはヨコハマの伝説のライブハウスが有りました。
そこでは壮々たるミュージシャンが夜な夜なライブをしておりました。
李世福、白竜、内田裕也、安岡力也、ジョー山中…そして松田優作。
ヨコハマに行った際、必ず「ヨコハマBJブルース」のBJが歩いた道を歩く訳です。
頭の中でずっとリピートするのは灰色の街、YOKOHAMA HONKY TONK BLUES、BAY CITY BLUES…♪
80年代のヨコハマ、どこか遠くに行けそうな魅力が危険な匂いと共にあった。
汽笛の音、使われなくなった線路、黒人達のスラング、サックスの音、娼婦、路上で焚き火する船員…
現在は近代化されたホテルが建ち道路が整備され、趣有る街並みがテレビに映し出される区別つかない役者達の顔の様に都市の顔も淘汰されて来つつある。
その中に取り壊しを余儀なくされる団地が有ります。
ヨコハマの観覧車に乗ってみると上がり始めて、左シタに見る事が出来ます。
この団地が建った頃、辺りはこんなにビル等なく瀟洒な貿易会社の建物等が有るだけの港町でした。
時代が変わり、強震構造のナンチャラカンチャラと指摘されヨコハマの空気を吸って来た建物が1つまた1つと街灯が消えるように建て替えられています。
仕方ないことかも知れないけれど、人はその街と共に生き住んでいる建物空間と共に歩んできていると思います。それ故自身より先に老巧化と指摘され立ち退きを余儀なくされるのは身を切る思いでしょう。
私めにも経験が御座います。愛着ある場所から出て行かなくてはならない思いを忘れません。
しかしそれでも生きていくのです。
団地に住んでらっしゃる方達のヨコハマへの思い、住んできた団地への愛情、今そしてこれからを撮り続けている映像作家がいます。
彼女は後ろ盾を持たず(N〇Kです、とか無しで)1人の人間として団地に行き触れ合い、話し少しずつとけ込むように住民の方達と一緒になっていきます。
そして日常とこれからの事を映像として表現していくのです。
とても繊細で信頼関係がないと無理なこと。
何度も何度も足を運び、話をし人手の欲しそうなときには参加しそう彼女自身も同じ、住人なのです。
だからこそ、映像からとても自然体で安らかに住人の方達は話し、和んでいるのを感じます。 辛かった時代の話をされている時も彼女との結びつきがあってこそ故、そして映像にし私達は知ることが出来、生きて行くことを伝えられ考え歩んでいく。
彼女自身の大らかで見つめるアタタカさが伝わって来ます。
大事に大切にしていただける方にご覧になって下さいとお勧めする作品です。
そして今、団地に住む方達は今を逞しく、チャーミングさを持って生き、そして映像を撮り続け一緒に生きる彼女。その一瞬をリアルタイムアースランナーとして見て感じてください。
きっと静かな元気をいただけます。
下記、作品と共に歩む映像作家杉本暁子のブログで御座います。
http://ameblo.jp/yokohamadanchi-film/
そして近日上映予定の御知らせです。
「海岸通団地物語~そして、女たちの人生はつづく~」
吉田町画廊
2010年3月4日(木)3月6日(土)
両日19:45~21:00
会場 吉田町画廊(神奈川県横浜市中区吉田町5-14)
料金 1,000円
問合せ 045-252-7240
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